てっきり沖縄出身だと思ったら、実は沖縄ではなく大阪出身という有名人の方がちらほら。
親や祖父母世代が沖縄から大阪に渡ってきて、ルーツが沖縄にあるという方々です。

一体だれが大阪ウチナーンチュかな?早速みてみよう!
体操選手:具志堅幸司
2021年に開催された東京五輪で、『沖縄出身初の金メダリスト誕生』というニュースを見てあれっ?と思った方がいたのでは。
1984年のロサンゼルス五輪体操を見ていた世代の方は、初の金メダリストは具志堅幸司さんだと思ったはず。
それもそのはず。具志堅は沖縄でとても多い苗字だからです。
ですが具志堅幸司さんは、大阪市大正区出身です。
しかし名前の通りルーツは沖縄にあり、お父様は名護市、お母様は石川(現・うるま)市のご出身だそう。
つまり具志堅幸司さんは沖縄二世ということに。


大正区の千島公園には、具志堅幸司さんの記念碑が建てられています。
これは余談となりますが、具志堅幸司さんが通われた大正中央中学校の卒業生には、有名人がたくさんいらっしゃいます。(※大阪ウチナーンチュではありません)
・中田ボタン(芸人)
・柳本昌一(日本女子代表監督)
・市口政光(東京五輪レスリング金)
・具志堅幸司(ロス五輪体操金)
・森岡栄治(メキシコ五輪ボクシング銅)
・萬田久子(女優)





ちなみに「ちょっちゅね」は具志堅用高さんだよ!間違わないでね!
沖縄民謡歌手:大城美佐子
沖縄民謡界のレジェンド、女王、重鎮と称される唄者の大城美佐子さん。
沖縄ツウの方なら大城美佐子さんを知らない人はいないでしょう。
歌手でありながら、沖縄映画にも多数出演されました。
- 夢幻琉球つるヘンリー
- ナビィの恋
- ホテル・ハイビスカス
- ゴーヤーちゃんぷるー
- 涙そうそう
- 琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ
- 変魚路
2021年1月に逝去され、多くの方に惜しまれました。
プロボクサー:久高寛之


第40代日本スーパーフライ級王者の久高寛之さん。
久高選手の父方の祖父母は東村、母方の祖父母は今帰仁村のご出身。
つまり久高選手は沖縄三世になります。
本名の名字の読み方は「ひさたか」ですが、2017年以降リングネームを沖縄で一般的な読み方の「くだか」に変更しました。
俳優:北村一輝
⬆︎2022年放送:ファミリーヒストリー 「北村一輝~沖縄のルーツ 士族の誇りを受け継いで~」
俳優の北村一輝さんは大阪府大阪市出身ですが、母方の祖父母、与那城廣さんと(旧姓:前城)鶴子さんは沖縄の生まれ。
与那城廣さんは粟国島で教師をされていたそうですが、ソテツ地獄と呼ばれる恐慌のため、教師を辞め親戚を頼りに大阪へ渡りました。そこで、同じく沖縄にルーツがあり、軍服などを製造する被服廠で働いていた鶴子さんと出逢い、お二人は結婚をされました。
つまり北村一輝さんは沖縄三世になります。
上地雄輔さんのご親戚
⬆︎2018年放送:ごぶごぶ 〜上地雄輔のルーツ大正周辺巡り〜
タレントの上地雄輔さんは神奈川県横須賀市出身ですが、父方の祖父、母方の曾祖父が若い頃、大正区に住んでいたそうです。
父方の祖父は宮古島出身で、名字の本来の読み方は「うえち」でしたが、琉球人に対する差別を嫌って
先に横須賀に出ていた叔父に倣い「かみじ」と名乗るように。
漫画家:空えぐみ
那覇のジュンク堂書店で「ワンピース」や「進撃の巨人」の売り上げを越えた人気漫画「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」著者の空えぐみさん。
現在はうるま市にお住まいですが、生まれは大阪。
「父方のおじいちゃんが若い頃に沖縄から大阪に来て、おばあちゃんと出会って、お父さんが生まれて、僕なので、もともと沖縄のルーツなんです。」とおっしゃるとおり、沖縄3世。
顔出し禁止だそうで、メディアに出られる時はいつもシーサーのお面を被ってらっしゃるところが面白いです。
沖ツラは、沖縄あるある満載で、沖縄文化を楽しく学べます。ぜひ一度読んでみてください。


漫画家:金城宗幸
週刊少年マガジンで連載中の人気サッカー漫画『ブルーロック』の原作者、金城宗幸さんは、リトル沖縄・大正育ちの沖縄3世。
祖父母が今帰仁村ご出身です。
▼朝日新聞デジタル
・「ブルーロック」原作者が描いた祖母と沖縄戦 未発表漫画で語り継ぐ
▼琉球新報デジタル
・人気漫画「ブルーロック」原作者は沖縄県系3世・金城宗幸さん 作品の下地に祖父母の生き方


最後に
7名の方を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
NHK連続ドラマ「ちゅらさん」の放送をきっかけに沖縄ブームが起こり、今でこそ沖縄にルーツがあるというと羨ましがられる時代ですが、移民当時は文化の違いを受け入れてもらえず、内地では琉球人差別が当たり前の時代でした。
久高選手や上地雄輔さん一家の名前の読み方を変えた例は、差別から身を守るための手段でした。
故郷・沖縄が恋しくて仕方がなかったと、移民者の方々は口を揃えて言います。
なぜ沖縄から大阪に移民しなければならなかったのか、移民当時の生活がどれほど大変だったか、大阪ウチナーンチュについてもっと知りたい方は、こちらの本がとても参考になります。(大阪市立図書館にも所蔵されています。)





最後まで読んでいただき、ありがとうございました。