てっきり沖縄出身だと思ったら、実は沖縄ではなく大阪出身という有名人の方が沢山いらっしゃいます。
親や祖父母世代が沖縄から大阪に渡ってきて、ルーツが沖縄にあるという方々です。
さぁ、一体だれが大阪ウチナーンチュかな?早速みてみよう!
体操選手:具志堅幸司
具志堅幸司
1956年11月12日大正区生まれ
平尾小学校→大正中央中学校→清風高校
2021年に開催された東京五輪で、「喜友名諒・沖縄出身初の金メダリスト」というニュースを見てあれっ?と思ったのでは。
1984年のロサンゼルス五輪体操を見ていた世代の方は、初の金メダリストは具志堅幸司さんだと思ったはず。
それもそのはず。具志堅は沖縄でとても多い苗字だからです。
ですが具志堅幸司さんは、沖縄ではなく大阪市大正区のご出身。
名前の通りルーツは沖縄にあり、お父様は名護市、お母様は石川(現・うるま)市のご出身です。
つまり具志堅幸司さんは沖縄2世ということに。
大正区の千島公園には、具志堅幸司さんの記念碑が建てられています。
これは余談となりますが、具志堅幸司さんが通われた大正中央中学校の卒業生には、有名人がたくさんいらっしゃいます。(※全員が全員、大阪ウチナーンチュではありません)
のちほどご紹介する漫画原作者の金城宗幸さんも同中学校卒業生。
・中田ボタン(芸人)
・柳本昌一(日本女子代表監督)
・市口政光(東京五輪レスリング金)
・具志堅幸司(ロス五輪体操金)
・森岡栄治(メキシコ五輪ボクシング銅)
・萬田久子(女優)
・金城宗幸(漫画原作者)
ちなみに「ちょっちゅね」は具志堅用高さんだよ!間違わないでね!
沖縄民謡歌手:大城美佐子
大城美佐子
1936年7月8日大正区北恩加島生まれ
名護市辺野古育ち
沖縄民謡界のレジェンド、女王、重鎮と称される唄者の大城美佐子さん。
沖縄ツウの方なら大城美佐子さんを知らない人はいません。
歌手でありながら、沖縄映画にも多数出演されました。
- 夢幻琉球つるヘンリー
- ナビィの恋
- ホテル・ハイビスカス
- ゴーヤーちゃんぷるー
- 涙そうそう
- 琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ
- 変魚路
2021年1月に逝去され、多くの方に惜しまれました。
プロボクサー:久高寛之
久高寛之
1985年4月2日大正区生まれ
府立港高校卒業
第40代日本スーパーフライ級王者の久高寛之さん。
久高選手の父方の祖父母は東村、母方の祖父母は今帰仁村のご出身。
つまり久高選手は沖縄3世になります。
本名の名字の読み方は「ひさたか」ですが、2017年以降リングネームを沖縄で一般的な読み方の「くだか」に変更しました。
俳優:北村一輝
⬆︎2022年放送:ファミリーヒストリー 「北村一輝~沖縄のルーツ 士族の誇りを受け継いで~」
俳優の北村一輝さんは大阪市出身ですが、母方の祖父母、与那城廣さんと(旧姓:前城)鶴子さんは沖縄の生まれ。
与那城廣さんは粟国島で教師をされていたそうですが、ソテツ地獄と呼ばれる恐慌のため、教師を辞め親戚を頼りに大阪へ渡りました。そこで、同じく沖縄にルーツがあり、軍服などを製造する被服廠で働いていた鶴子さんと出逢い、お二人は結婚をされました。
つまり北村一輝さんは沖縄3世になります。
ソテツ地獄によって大阪に移民者が増えた経緯についてはこちらの記事
上地雄輔さんのご親戚
⬆︎2018年放送:ごぶごぶ 〜上地雄輔のルーツ大正周辺巡り〜
タレントの上地雄輔さんは神奈川県横須賀市出身ですが、父方の祖父、母方の曾祖父が若い頃、大阪市大正区に住んでいらっしゃいました。
父方の祖父は宮古島出身で、名字の本来の読み方は「うえち」でしたが、琉球人に対する差別を嫌って先に横須賀に出ていた叔父に倣い「かみじ」と名乗るように。
上地さんがごぶごぶで訪問されたお店はこちら
漫画家:空えぐみ
那覇のジュンク堂書店で「ワンピース」や「進撃の巨人」の売り上げを越えた人気漫画「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」著者の空えぐみさん。
現在はうるま市にお住まいですが、生まれは大阪。
「父方のおじいちゃんが若い頃に沖縄から大阪に来て、おばあちゃんと出会って、お父さんが生まれて、僕なので、もともと沖縄のルーツなんです。」とおっしゃるとおり、沖縄3世。
顔出し禁止だそうで、メディアに出られる時はいつもシーサーのお面を被っていらっしゃいます。
沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる=略して沖ツラは、沖縄あるある満載で、沖縄文化を楽しく学べます。
ぜひ一度読んでみてください。
\電子書籍もあります/
沖ツラがどんな漫画か詳しくはこちら
漫画原作者:金城宗幸
金城宗幸
1987年大正区生まれ
平尾小学校→大正中央中学校→今宮高校→京都精華大学
週刊少年マガジンで連載中の人気サッカー漫画『ブルーロック』の原作者・金城宗幸さんは、リトル沖縄・大正育ちの沖縄3世。
祖父母が今帰仁村のご出身です。
2023年に大正区で開催された『がじまるの会主催 エイサーまつり』では、金城さんの作品展示ブースも設けられました。
▼朝日新聞デジタル
「ブルーロック」原作者が描いた祖母と沖縄戦 未発表漫画で語り継ぐ
▼琉球新報デジタル
人気漫画「ブルーロック」原作者は沖縄県系3世・金城宗幸さん 作品の下地に祖父母の生き方
最後に
7名の方を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
NHK連続ドラマ『ちゅらさん』の放送をきっかけに沖縄ブームが起こり、今でこそ沖縄にルーツがあるというと羨ましがられる時代ですが、移民当時は文化の違いを受け入れてもらえず、内地では琉球人差別が当たり前の時代でした。
久高選手や上地雄輔さん一家の名前の読み方を変えた例は、差別から身を守るための手段でした。
故郷・沖縄が恋しくて仕方がなかったと、移民者の方々は口を揃えて言います。
なぜ沖縄から大阪に移民しなければならなかったのか、移民当時の生活がどれほど大変だったか、大阪ウチナーンチュについてもっと知りたい方は、こちらの本がとても参考になります。(大阪市立図書館にも所蔵されています。)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。