【大阪・生野】本当は誰にも教えたくない隠れ家的アトリエ&カフェ『シーサー工場』

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大阪市生野区に、沖縄の守り神・シーサーを作っているアトリエがあるのはご存じですか?

行けば必ず知り合いに教えたくなっちゃう、素敵なお店をご紹介します。

情報は記事掲載時点のものです。施設によって営業時間の変更や休業、価格変更などの可能性があります。おでかけの際には公式HP等で事前にご確認ください。

目次

シーサー工場(コーバ)への行き方

シーサー工場は、大阪メトロ千日前線の北巽駅から徒歩5分ほど。

4番出口を出てユニクロがある方面に向かうと、ファミリーマートがあるのでその角を右折。

まっすぐ進むと、「歯」という看板が目立つ歯科医院が見えてきます。

そこを通り過ぎ、もう少し歩くと松田整骨院が見えてくるのでその手前の路地を右折します。

こんなところに本当にお店があるの?とドキドキしながら路地を進むと、

のんびり時間が流れる隠れ家的アトリエが出現します。

「シーサー工場(コーバ)」というお店の名前の通り、こちらでは沖縄の守り神シーサーを製作しており、作業場の隣にカフェが併設されています。

1階にはカウンター4席と座敷があり、2階には座敷とテーブル席があります。

シーサーとは?

シーサーの由来

沖縄に行けば玄関や屋根の上など、至るところで目にするシーサーですが、そもそもシーサーとは一体なんでしょうか。


シーサーは、沖縄に古くから伝わる伝説の獣神で「獅子」を沖縄の方言で発音したもの。

石垣島などがある八重山地方では、シーシーとも呼ばれています。

家や人に降りかかる災いを追い払う魔除けの役割を持っています。

始まりは1689年ごろ。当時、沖縄南部の八重瀬町では火事が多発し住民は途方にくれていました。

そこで風水師に相談したところ、八重瀬岳に向けて獅子の像を置くと火事を防げると助言され、実際に設置したところ火事が収まったそうです。

この出来事がシーサーの始まりと言われ、守り神として民家にも普及していきました。

その時に作ったとされている「富盛(ともり)のシーサー」は今も残っており、沖縄県有形民俗文化財にも指定されています。

シーサーの置き方

シーサーは基本的に2体1組になっていますが、それぞれに違いがあるのはご存知ですか?

実はシーサーにはオスとメスがあります。

よーく見ると、口を閉じたシーサーと、口を開いたシーサーが。

正面から見て、右にオス(口が開いてる)、左にメス(口を閉じてる)を置く形が基本となっています。

諸説ありますが、「始め」と「終わり」を意味する「阿吽」を表現していると言われたり、

口を開けているオスは悪霊を追い払ったり噛みつき、

口を閉じているメスは幸福を呼び込み幸せを逃さない役割をしている、とも言われたりしています。

屋根の上に一体だけ置く場合は、オスのシーサーを置くことが多いようです。

漆喰シーサー

シーサーには大きく分けて2種類のシーサーがあります。

それは、焼き物のシーサーと、漆喰と瓦で作るシーサーです。

こちらのシーサー工場では、漆喰シーサーが作られています。

漆喰シーサーは、赤瓦と漆喰で屋根を仕上げた職人さんが、家主にお礼として、余った瓦片と漆喰でシーサーを作り屋根に飾ったのが始まりと言われています。

赤瓦は沖縄から取り寄せているそうですが、実は入手がとても困難だそう。

というのは、こちらの工場では「手造り赤瓦」を使用した本格的な漆喰シーサー作りをされているからです。

古民家を解体する際に出た廃材を再利用されているそうですが、

近年は赤瓦の建物が減り、赤瓦職人の後継者不足も問題となっているため、

この「手造り赤瓦」は争奪戦となるほど、とても貴重な資材だそう。

前置きが長くなりましたが、「シーサー工場」が生野に誕生したのは2006年。

工場長の宮下裕紀子さんは大阪・生野区のご出身ですが、

ダイビングなどで沖縄に魅了されたのがきっかけで石垣島に住み、

石垣島で漆喰シーサー作りの修行を経験され、大阪で工房を開かれました。

現在のお店は2018年の夏に新しくオープン。

オーダーメイドシーサー

宮下さんの作るシーサーは、可愛らしい表情のシーサーから凛々しい姿のシーサーまで様々。

オリジナルシーサーをオーダーすることもできます。

名前を入れたプレートをつけることができるので開業祝いや新築祝いの贈り物にぴったり。

貰った人は喜ぶこと間違いなしです。

というのも、わたくしごとで恐縮ですが、実家が引越しをした際に新築祝いとして

親戚からこちらの工場で作られたオリジナルシーサーを頂いた経験があります。

家族一同大喜び。


シーサーは、父の趣味である三線と、母の趣味である卓球のラケットを持っています。

「ヤー」は沖縄の方言で「家」を意味します。

屋根乗りシーサーは基本的に2体ですが、例えば4人家族のファミリーにプレゼントしたい場合

追加でシーサーを増やしてもらうことも可能。

現在製作中のシーサーも見せて頂いたのですが、こちらはなんと!7人家族!

ぷりぷりしたお尻が並んでいて後ろ姿もとても可愛らしいです。

このように、贈る相手の趣味や特徴を考えて、世界に一つしかないオリジナルシーサーを作ってもらえるところがとても魅力的です。

基本的なタイプのシーサーであれば、夏場は最短2週間程度で完成するそうですが、

漆喰が乾きにくい冬場や、複雑な形のものはそれ以上の日数がかかるみたいなので、

オリジナルシーサーのオーダーをお考えの方は早めに相談されることをオススメします。

4と3がつく日はソーキそば

4(シー)と3(サー)がつく日は、工場の横に併設されているカフェで、

ソーキそばをはじめ、様々な沖縄料理を味わうことができます。

工場長・宮下さん自らが料理提供。

トロトロのソーキに半熟卵がマッチし、絶品の手打ちソーキソバです。


ここでしか味わえない、宮下さんオリジナルメニューもあります。

たとえば、ポーポーと呼ばれる沖縄版クレープの食べ物があり、

アンダンスー(油味噌)を巻き包むのが一般的な食べ方ですが、

こちらでは『ぜんざい巻きアイス添え』という贅沢な食べ方ができます。

一緒に頼んだパインジュースは、氷までジュースでできていて、溶けても味が薄まらず、最後までおいしくいただくことができました。

この日の天ぷら盛りは、もずく、ゴーヤ・ポーク、さつまいも 、大根、いか、島らっきょう。

こんなにたくさん入っていて400円というお値段。

ヒラヤーチーと呼ばれる沖縄風チヂミは、もずくかゴーヤーを選べます。

スパムおむすびは油みそ入り。

作業日は飲食営業はありませんので、ご注意ください。

出張カフェ『ちゃぶ台Cafe』

月に一度、『ちゃぶ台Cafe』さんがこちらのシーサー工場で出張カフェを開かれ、自然農など季節の野菜たっぷりランチやおやつの販売をしています。

焼き菓子やシフォンケーキなど、数量に限りがあるので、お目当てのスイーツがある場合は事前告知をチェックして予約されることをオススメします。

こちらはさんぴん茶の米粉ロールケーキ。

とても優しいお味でペロリと食べてしまいました。

『ちゃぶだいcafe』

沖縄雑貨

シーサー以外にも、沖縄雑貨や、ハチミツやお塩などの沖縄調味料も販売しています。

沖縄県産100%純粋はちみつは本土ではあまり流通していないのでレア物です。

沖縄の伝統的な柄を使用したかわいい小物やアクセサリーを見ている間に

注文の待ち時間もあっという間に過ぎてしまいます。

ソーキそばの日はお客さんがたくさんでやや待ち時間が長い時があるかもしれませんが、

そんな時はお店に流れる沖縄BGMに耳を傾け、沖縄関連雑誌を読みながら待ち時間をお楽しみください。

最後に

実家の玄関に飾っている宮下さんの手作りシーサーを見ると、

なぜかほっこりする気持ちになるのは、

宮下さんのお人柄がシーサーに反映されているんだということが

お店に実際に伺ってみてわかりました。

シーサーの由来などもご紹介しましたが、「堅苦しい考えは無用」だそうです。

シーサーの表情や店の雰囲気からもわかるように、丁寧で優しくとても居心地のいい空間です。

住宅地の路地奥にある秘密基地のような「シーサー工場」ぜひ一度足を運んでみてください。

シーサー工場基本情報

〒544-0004 大阪市生野区巽北3-12-38
090-1487-8799
11時〜18時
ソバの日は11時〜20時(L.O.19 時半)
※作業日は飲食営業なし
不定休(営業日のお知らせはSNSにて)
ShisaGongChang
si_sa_ko_ba
無し(近くにコインパーキング有り)
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