大阪市大正区には沖縄県出身が多く、2世3世を含むと、人口6万人のうち4分の1が沖縄にルーツがあると言われています。
出稼ぎで沖縄から本土に移住してきた人たちの暮らしは決して楽なものではありませんでした。
差別から身を守るため沖縄出身ということを隠す人も多く、しかし一方で、沖縄出身であることに誇りを持ち故郷を忘れまいという葛藤と戦う日々でした。
この記事では、大阪ウチナーンチュ(沖縄人)として生きる人々のリアルな話が伺える、貴重な本をご紹介します。
たくさん読んで、たくさんリトル沖縄のことを知ってね!
大阪ウチナーンチュ(太田順一)
島風吹く路地、聞こえるサンシンの音。はじけるエイサーの踊り…。そこにあるのは、もうひとつの沖縄-日本。知らなかった沖縄の人たちの素顔に迫る写真とインタビュー集。
1999年発売。
大正区で沖縄県人コミュニティが形成された経緯や、
沖縄一世と二世の間にある溝について知ることができる、とても貴重な一冊です。
モノクロ写真から当時の暮らしがありありと伝わってきます。
残念ながら現在市場にあまり出回っていません。
気になる方は図書館で借りてみてください。
沖縄学(仲村清司)
おおらかなのかいい加減なのかビミョーな「テーゲー主義」、5分歩くのも嫌な「なんぎー文化」、台風で屋根が飛んでも落ち込まない「ナンクル気質」など灼熱南風の島に充満するナマの沖縄カルチャーを様々な角度から分析する、抱腹絶倒のウチナー白書。
2006年発売。
著者の中村清司さんは、1958年大阪生まれのウチナーンチュ2世。現在、沖縄大学客員教授。
海外移民でもないにもかかわらず、なぜ大阪ウチナーンチュは自身を「沖縄2世」と呼ぶのか、目から鱗が落ちる本です。
大阪ウチナーンチュの方は共感できるポイントがたくさんあると思います。
ユーモアたっぷりで、さくさくと読み進められます。
大阪の沖縄紀行
遠く隔たった沖縄と大阪―実は明治の頃から経済や文化で人々の交流が活発でした。大阪と沖縄の交流の歴史をひもときながら、大阪の街を、そして沖縄の島々を歩いてみませんか?大阪人・沖縄人、必読の書。
2000年発売。
今泊会館や今帰仁城について詳しく記載された章がある、とてもとても珍しい本。
やんばるにルーツがある人には興味深い一冊です。
こちらもあまり市場には出回っていないので、気になる方は図書館で借りてみてください。
オキナワグラフ2022年9月号
連続テレビ小説「ちむどんどん」で横浜市鶴見区の沖縄県人街が盛り上がっているが、関西においてもウチナーンチュが多く住む街がある。今月号の表紙モデルを務めてくれた沖縄民謡歌手の仲村奈月さんが生まれ育った大阪市大正区、そして兵庫県尼崎市の戸ノ内町などだ。これらの街にウチナーンチュが集まった経緯や移住一、二世の苦労、若手の三、四世の思いを尋ねて歩いた。
オキナワグラフは60年以上の歴史がある、県内随一の写真月刊誌。
県内の書店やコンビニで販売されています。
2022年発売なので『今』のリトル沖縄を知るに一番ふさわしい一冊。
実は、1番最初に紹介した『大阪ウチナーンチュ』の表紙を飾っているのも、このオキナワグラフ9月号の表紙モデル・仲村奈月さんなんだよ!(当時8歳)
以上、大阪ウチナーンチュについて学べる4冊をご紹介しました。
どれも今や激レア本ですので出会えたらラッキーですね。
もっとたくさん大阪ウチナーンチュについて知りたい!という方は、【大阪沖縄関連】を集めたこちらの記事もご覧ください。